マスキングって聞いたことがありますよね。
ミックスに問題があるときに2つ以上の楽器の音がお互い音を打ち消しあって全体的に迫力に欠けるサウンドになってしまう現象です。
ベースが聴こえないからドラムを上げて、ドラムを上げたらベースが奥に引っ込んで聴こえなくなった・・気づけばメーターは真っ赤っか。
で、全然まとまらないし迫力に欠ける。
こんな経験ないですか? しょっちゅうある? ですよね。
今回はこの問題について書こうと思います。
マスキングの基本的な対処
通常この問題をクリアするには、ぶつかる周波数帯域(特に中低音)をEQで削って各楽器のお互いの落ち着き場所をはっきりさせることによって、クリアで充実感あるミックスを作ることができるのですが、そうはいっても簡単そうじゃないですよね。
色々試しているうちにわけわからなくなって袋小路パターンに・・。締め切り仕事の場合で何曲も終わらせなきゃいけないときに、そこだけに時間を割くのは厳しいです。
だからここはプラグインに頼る方法を一つ。
iZotopeの「Neutron」でマスキング解消
Neutronはトラックアシスタントと言ってそのトラックの音を自動解析して適性なEQを設定してくれる機能で最近騒がれてました。
今回はその機能よりむ、マスキング機能に注目したいと思います。
例えばわかりやすい被りの例でいうと
キックとベース
ボーカルとバッキングギター
など。
被りそうな2つのトラックにNeotronを挿して「Masking」ボタンを押すと、どの周波数帯が被っているかがEQ画面の上で一目瞭然になる。
そこでEQ調整をすれば耳だけに頼らず視覚的に適切に処理できるわけです。
図で見てみます。
上の段がキックとスネアで、下の段がベースのNeutronの画面。周波数帯域がグラフで表示され、上の段の白みがかったところが大まかにベースと被っている帯域。
赤丸で囲ったところがぶつかっている箇所。
(ちなみに下段のベースはトラックアシスタント機能でEQがすでにかかった状態)
さらに
「Inverse Link」というボタンが右側にあって、そこをクリックすれば、例えばベースをブーストすれば同じ帯域でキックが下がり、ベースを下げればキックが上がるというふうにお互いがぶつからないように強調できる機能があるのです。これは便利!
ミックスの勉強にもなるし是非試していただきたい機能です。
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赤丸箇所がキックでEQを上げた箇所。同時に自動的に下のベースの同じ帯域がEQカットされているのがわかる。
Neotron操作に関してはわかりやすい動画があるのでこちらでどうぞ!
他にも2nd sence audioがリリースしているMixing Analyzerというプラグインは最大6トラックが自動でアナライザに追加されて、文字でもリスト化されます。被っている帯域は赤い帯で表示されるので一目瞭然。なんだかグラフがすごいことになっていますけど。
こちらはトライヤル版で試したのですがなかなか良さげでしたよ。
おわりに
何かと正体をつかむのに手こずるマスキングでしたが、視覚化できたら立ち向かうのが楽ですよね。便利なプラグインはバンバン利用してスッキリした、でも迫力もあるミックスを目指しましょう♪
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作曲、最初の仕事の掴み方と広げ方(経験談)