「ALWAYS 三丁目の夕日」劇伴で有名な佐藤直紀さんのインタビュー記事をネットで見ました。
の記事です。
自分の専門性と価値観にこだわり抜いた仕事場とは
見るからにものズゴイ、自宅スタジオを2年がかりで作られたようで写真がもう壮観!
でもご本人はスタジオと呼ぶのを嫌うらしく、ワークスペースなんだそうです。「スタジオにしたくなかった」とはっきりおっしゃってます。
なんだか衝撃的。
これだけの設備(ぱっと見)なら、当然ミックス・マスタリング・ボーカルレコーディング含め完パケまでできるようなシステムかと思いきや、きっぱり「ミックスダウンはやらない」そうで、あくまで作曲のみにこだわったシステムだと。(ミックスダウンをやらないということ自体は珍しくありませんが)譜面を書く時間が一番長いから、そこの快適さに重きを置いたんでしょうね。
自分の中で何が大切で、何が核となる仕事かが見えている仕事場設計ですね。
インタビューで印象的だったのは、今は制作の予算が少ないからボーカルくらいの録音やミックスダウンまで全てこなさなければいけないケースが多くなってきいて・・しかしそのやり方だと安い予算でいつまでも便利に使われてしまう・・と。
まぁ、突き抜けた専門性(=個性)がない限り僕も含め、やはりなんでもやらなければ仕事にならないケースが多いというのは実感します。
”脱”便利屋
そういうやり方は、エンジニアリングの膨大な知識も必要となるし機材も揃えないといけません。しかしながら、頑張ってもプロのエンジニアには敵わず、プロエンジニアには劣るけどそこそこ通用する技術で乗り切る感じになります。たしかに商業パッケージレベルの作品はできるようになりますが、予想を超えて感動するような仕事はできない気がします。全部が平均点ちょいちょいという・・・。(たまにそうじゃない突き抜けた方もいらっしゃいますが)
どうにかその環境を抜け出さないと、経済的にもモチベーション的にも一生の仕事として音楽を捉えるには不安要素が多すぎます。
やはり思いっきり自分の専門性(=個性)が活かせる環境づくりが欠かせないのかなぁと感じます。機材もそうだし、受ける仕事、コンペのチョイス、スケジュール管理、クオリティ管、捨てるところは捨てる勇気。
佐藤さんはインタビューで
” 私自身は機材自体に全く興味がなく(云々)・・・音の良し悪しはエンジニアに任せています。響き自体に関してシビアというでもありません、ここでトラックダウンするわけでもありませんしね。”
とおっしゃてます。譜面の人と言ってしまえばそれまでですが、潔くてキモチイイですよね。なかなかここまで言い切れませんよ。でもMACは全部で12台使ってる!みたいな(笑)。
おわりに
便利屋にならないため、専門性が強く・誰にも代わりができない仕事、自分の専門分野以外は他のプロに頼めるほどの予算が取れる仕事をこの先目指したいきたいと思える記事でした。