先日、Peatixというイベント管理アプリで見つけた、「THE 劇伴」というセミナーに参加してきました。
とても刺激のあるセミナーで興味深かったでのでブログに書きます。講師はドラマ「相棒」音楽でお馴染みの池頼広さん。
全体的に技術的な話というよりは、池さんの音楽的バックボーンと人間性、仕事に対する姿勢がとてもよくわかったセミナーでした。
驚きの”音楽メニューなし”
劇伴の仕事を依頼されるときに、音楽メニューがないというのがとても衝撃的でした。
通常、映画やドラマの音打ち合わせの際は作曲家に音楽メニューが渡されます。
例えば
日常1(1分半程度)
日常2(1分)
怒りシーン1 (30秒)
主人公の悲しみ1 (35秒)
みたいな感じです。シナリオを読んでシーンごとに制作サイドと話をしながらイメージを固めていく作業をします。「何々という映画のあのシーンの曲みたいな・・」という
話も往々にでてくるのでやはり劇伴作家を目指すなら数多くの映画に触れなければいけませんね。
池さんの場合、もちろん打ち合わせは密にするのでしょうが、音楽メニュー自体無くて、全て任せられるというお話。
信頼されている売れている作曲家ならではだと思いました。
新人ではとてもじゃないけど怖くてこんな頼まれ方嫌です。
僕も映画では音楽挿入ポイント含め任されることもありますが、それは監督が音楽について詳しくないのでこちらでメニューを作り、あとで監督に確認取りながら修正していくというやり方です。セミナーの中でも、昔は監督が音楽のことがほとんど分かっていないので抽象的な指示が多く苦労した・・みたいな話もされていました(今はそういうことはあまりないそうです)
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劇判作曲家に必要な視点とは?
音楽そのものより、作品(ドラマや映画そのもの)が良くなることが一番の判断基準というスタンス。
これは恐れながら僕も共感するところではありました。
作曲家の我が見えてしまうような劇伴はよくないということでしょう。また絶対こっちの方向性が良いと思った時には、監督指示と違うことをやることも必要なのだと。
余談ですが、趣味でやっていらっしゃる「天体観測」の写真がこれまた素晴らしく衝撃的でした。趣味とは思えないハイレベルな写真の数々・・・。
おわりに
セミナーに参加するのは結構久々だったので新鮮でした。また色々面白そうなセミナーを見つけて参加してみようと思います。
ただ今回、参考音源の音楽のモニター音量がでかすぎて少し耳が疲れましたね。
僕だけかな?
最後に、
”フリーの作曲家は「受注」する姿勢でいるとだんだん仕事はなくなる”という言葉が印象的でした。