今回はオーケストラアレンジやポップスアレンジにも欠かせないストリングスの音色や奏法を考えてみます。少し突っ込んで研究することで楽曲のクオリティが格段と違ってきます。
こだわりのストリングスの設定をご紹介
僕は曲によってLASS2.5(LA SCORING STRINGS 以下LASS)とEASTWESTのHOLLYWOOD STRINGS(以下HS)を使い分けているのですが、今日はこの2つを比較しながらもLASSを使い倒してみましょう。
まだまだ僕自身使いきれていないのですが、一部を紹介します。
LASSは自分でキースイッチのセットを自由に組むことができます。これがちょっと難関。ここでは細かい設定の仕方はマニュアルに任せるとして、僕が作ったセットは以下のような感じ。
奏法はMIDIキーボードのC0付近でキースイッチで切り替えられるようにしました。
楽器群は
Violin 1
Violin2
Viola
Chello
Contarabass
のセットを組んであります。5トラックですね。
奏法はレガート、スタッカート、スピカート、ピチカートの4種類をそれぞれの楽器に適用します。
ちなみにHSはキースイッチを使っておらず、トラックごとに奏法を分けてあるのでかなりのトラック数になります。
つまりそれぞれの楽器ごとに4つの奏法トラックが必要になるのでストリングスだけで
20トラックになります。
音量と音質の変化
HSもLASSも音量変化、音質変化をモジュレーションとエクスプレッションで表現できます。
こんな感じにそれぞれの楽器にカーブを描きます。
モジュレーション(CC0) 弦を弾く強さでの音量・音質変化 値が上がると力強い音色になる
エクスプレッション(CC11) 単なる音量変化 大まかな音量変化に使う
エクスプレッションとモジュレーションの合わせ技が高い表現力になります。
LASSとHSはそれぞれ掛かり方が違うので同じ数値ではうまくいきません。
使う場合それぞれに調節します。
ここでLASSとHSの奏法別に僕が作った短いサンプルを載せておきます。
では音を聴いてください。
LASS スタッカート
HS スタッカート
LASS レガート
HS レガート
かなり2つのソフトで質感が違うことがわかるはずです。スタッカートとレガートでも
それぞれ人数感が違いますね。
また、レガートのメロディのバイオリンには音のつなぎが滑らかになるポルタメントという表現方法を使っています。LASSもHSもベロシティの数値によって切り替えることができます。
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A.R.Tの活用(LASSのみ)
いわゆるスタッカートやスピカートで「ジョコジョコジョコジョコ」という刻みを自動的に演奏してくれる機能がLASSにはあります。なかなかリアルです。アクションシーンや緊迫シーンなどで使えそうです。サスティーンペダルを入力することによって切り替えができます。
リバーブとの相性
LASSはリバーブと弦の質感をA.R.Cというシステムのいくつかあるプリセットから選べます。納得いくまで質感にこだわって設定します。今回はAiry Stringsというプリセットにしました。もちろんドライにして外部のリバーブを使っても問題ありません。
HSはリバーブはB2(2C AUDIO)のHALLの設定を使ってます。 僕はこのセットが好みでよく使っています。
クリアすべき問題点
テンポが速くなるとストリングスのアタックが遅く聞こえてしまうケースがあるのでその場合、数十ティック前にデータをずらして対応します。結構この調整はイライラする時がありますが根気強く調整します。
裏技的にはメロディのバイオリンにはソロバイオリンのパッチをまぜてみると、ザラッとしたリアル感がでてうまくいくことがあります。
おわりに
どうでしたでしょうか?ストリングスには僕もかなり手を焼いているのですが、追求すれば追求するほど楽曲のクオリティがみるみる上がるのもストリングスの面白いところです。まだまだ研究中ですが最高のストリングスを鳴らせるよう精進したいと思います♪
ストリングスの打ち込みを解説した動画を以前作ったので、こちらもぜひ参考にご覧になってください。HOLLYWOOD STRINGSを使っています。