共同作業と言ってもいろいろあって、バンドもユニットもそうだし、作詞・作曲の共作もしかり。まだ経験していない人には是非一度はやっておくことをオススメします。
作曲自体は孤独な作業だけど、例えばそれを誰かに演奏してもらったりアレンジしてもらうことで、人と関わることになります。
いいものを作りたい思いはみんな一緒なんだけど、でそこで思わぬ方向性のズレとか、意図が相手に伝わらなかったりして思うものができない!なんてことはよくある話です。しょっちゅう報道されてる音楽の方向性のズレでのバンド解散とかそれですね。
ここは作曲をテーマに扱っているのでバンド活動の話は置いておくことにして・・・。
でも、人と関わって作品を作った方が何倍にもクオリティは上がることはわかっている。(マスタリングまで完全一人完結でトップクラスの
クオリティを出せる人は別だけど、よほどの天才でない限り僕は得策とは思えない・・ストイックなまでな客観的判断と耳がないと難しい)
さて、そこで人と共同作業することで得られる3つのことです。
1 対応力・コミュニケーション能力の向上
相手を傷つけたり、関係を悪くしないように慎重に自分の意思をしっかり正しく伝えるコミュニケーション能力が必要になってくきます。
実際のところ僕も何度か失敗してます。以前女性ボーカルユニットを3度ほどやっていて、歌の録音で何度も相手を怒らせるディレクションをして
全然うまくいきませんでした。やっと3人目の相手でいろいろ工夫してスムーズに作業が行えるようになりました。
これは自分の曲にドラム・ベース。管楽器他あらゆるプレイヤーに参加してもらう時にも必須のスキルです。(ディレクターがいて全部お任せなら別ですがいつもそういうわけにいかないし、それでは成長できない)
プレイヤーにいかに気分よく演奏してもらうかが作品の出来に響いてくるんです。
また、自宅録音ができない場合お手頃のレコーディングスタジオを探してスケジュール立てして、当日はプレイヤーはもちろんエンジニアの方とも密にコミュニケーションをとりながら作業しなければなりません。これら全てが経験値にもなるのです。
例えばボーカルディレクションの場合
あまり喉が強くない人に、フルコーラス何度も歌わせてしまったらすぐに調子を落としてしまい良いテイクができない場合があります。
その場合、対処法は、
3回だけフルで歌ってもらいあとはテイクつなぎ編集するとか、パートごとに歌ってその場でどんどん直してパンチインしていくとか。
立ち上がりの調子が遅い人には、何テイクか気軽に遊んでもらいつつ、様子を見て本番テイクにつなげていくとか。
あとアイコンタクトとか、テイクが終わったあとのトークバックで指示を出すタイミングとか重要です。変な間が空くと歌手やプレイヤーは不安になるんだよね。僕もプレイヤーだからわかるんですが。
2 作品のクオリティの向上
打ち込みドラムより生ドラムが適しているバンドものの曲やファンク系の曲は、格段にクオリティが上がります。特にハイハットのノリやパターン、フィルなどは言わずもがな(もちろんプレイヤーの力量にもよりますが、できればちゃんとお金を出してプロもしくはセミプロにお願いするようにしましょう)。
何と言ってもブラス・ストリングスの表現力は生録にはかないません。
全部の楽器を人にお願いするのは無理しにてもベースやギター1本、うまい人に入れてもらうだけで作品は輝きを増すものです。
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3 人脈の広がり
しょっちゅう人に演奏などをお願いしていると、どんどんプレイヤーの横のつながりも増えていき、いろんなプレイヤーと知り合えます。
ギャラもかかるけど(僕は基本的にデモ音源だとしてもギャラは支払う方針です)、それだけ録音物以外に得るものも多いはずです。レコーディングエンジニアさんとも仲良くなれるかもしれません。
そうすればプロのいろんな知識・テクニックをちょこちょこ聞き出せるかもしれません。
いろんなタイプのプレイヤー・スタッフと関わることにより人間対応力も増して、プロデューサータイプの作曲家に向いているなと気づく人も出てくるでしょう。将来的に仕事につながる可能性も増えます。
おわりに
レコーディングなどで人と関わることで、想像もしないような展開になったりいろいろ学ぶことは多いのでどんどん自分の作品に関わってもらいましょう。また自分も他の人に作曲やアレンジの場面で必要とされたらどんどん手伝いましょう。音楽的にも人間的にも幅が出てくるし、後々仕事につながることも出てきますよ。