難しい理論やコードの知識はいったん置いといて、手っ取り早く1曲まず作ってみたいという方にオススメの方法を1つご紹介します。よく言われることですが理論は後付けなので、肌感覚で曲作りを体に染み込ませるやり方です♪
ここではとりあえず1コーラスの完成を目指します。
⑴ オケを打ち込む
コード進行が載っている歌本を買ってきて好きな曲をピックアップします。
最近では本屋で”歌本”(かつての月刊歌謡曲)みたいなものは減ってきているのでネットの歌詞サイトみたいなところで探してもいいでしょう。
コードをそのまま、とりあえず白玉(全音符、2分音符みたいに伸ばしっぱなし)で打ち込みます。音色はその好きな曲のバッキングに近いもの(シンセでもエレピでピアノでも構いません)。ありがちな失敗はコードを弾く音域が高すぎたり低すぎたりしてまとまりが悪くなるパターン。最初は真ん中の”ド”(C3)付近でコードを取るのが無難でしょう。
リズムはとりあえずループ素材。MAC使ってる人だったらApplelooopとかで全編大丈夫です。テンポはその曲に近く設定。
ここで初心者の方がリズムの打ち込みを一からやりだすと、完成までたどり着けない恐れがありるので注意(笑)。
ベースパターンもお手本曲に近づけて打ち込みます。
⑵ メロディを作曲する
メロディは完全オリジナルに書き換えます。譜割はお手本にする曲のメロディを大いに参考にしてください。わりとアイドル楽曲は手練れた職業作曲家が書いているケースが多いので勉強になります。メロディの音色はフルート系(人の声の音色に近い)がいいと思います。譜割が細かくなるとアタックが聞こえづらくなるのでピアノで重ねるのもオススメです。
もろにR&Bとかの曲は、歌い回し勝負みたいなもので、歌手の力量・キャラクターによるところが大きいので、どちらかというと作曲よりトラック制作という部類に近いかな。なので今回は想定しません。
Aメロ Bメロ Cメロそれぞれに音形のパターンがあるはずです。それを参考にしながら自分なりのメロディを考えていきます。
”構成で考える歌モノ(JPOP)の作曲法”のところでも書きましたが
Aメロだったら4小節か8小節をひと塊り(1つの音形)と考えて2回繰り返すパターンが多いです。
そしてサビやっぱりCメロが一番盛り上がるようにしなければいけません。
これもパターンは”構成で考える歌モノ(JPOP)の作曲法”の回を参考に考えます。
そのCメロのお膳立てをするのがBメロです。
僕はBメロからサビへの繋がり(爆発力)へはかなり神経を注ぎます(ヒット曲の一つの条件だと考えるからです)。初めはそんなに気にせずとりあえず最後まで曲を書き上げることをまず目標にしましょう。
ちなみに、音程で考えるとAメロよりは全体的に高い音がCメロに集まるようにした方がバランスが取りやすくサビが盛り上がりやすいです。このバランスが大事でしかも難しいところなんですが。全体的なメロディの音域は1オクターブプラス鍵盤3つ分くらいがいいです。
曲全体のバランスを見てメロディを何度か調整していきます。メロディが出来上がったら歌が歌える人は仮歌を入れてみるといいでしょう。仮歌を入れなくても、一度作ったメロディいを歌ってみることはとっても大事です。不自然な箇所があれば修正できますし。
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⑶ 全体構成を整えて完成
1コーラス歌の部分が作り終わったらイントロをつけましょう。デモとして考えると多くても8小節くらいがいいです。デモの場合アウトロは引っ張らなくてもいいです。不自然な終わり方でなければ歌と一緒にジャーン!でも構いません。気持ちに余裕があればサビが終わった後、短めの間奏を入れてもう一度サビを繰り返してエンディングというパターンにしてもいいと思います。いわゆるワンハーフと呼ばれる構成で、現在楽曲コンペに提出するデモのサイズでは一般的です。その際は2回目のサビは1回目のサビと少しアレンジに変化をつけるとなお素晴らしいと思います。
イントロ含め1コーラス出来上がったら、今の自分の実力で可能なところまでアレンジを詰めて一旦完成とします。これで自分の曲の1ストックとなるわけです。おめでとうございます♪ コードは一緒でもメロディが全然違えばそれは立派なオリジナル曲です。
僕の考えですが、初心者の方が歌モノ作曲を上手くなりたい場合、アレンジに最初から凝りだすより全体の構成力を先に身につけた方がその後、成長力は強いと思います。
少し慣れてきたらお手本曲からコードをどんどん変えていきましょう。
とにかくメロディラインと構成に意識を集中!なのでリズムパターンはテンプレート化してできるだけ曲を量産することをオススメします。この方法でいろんな曲のタイプにトライすれば短期間で力がつくはずです。