今日は歌モノの作曲を、構成からどう作るか考えてみます。より魅力溢れる曲作りのために。
今回は楽曲コンペ提出を前提とした曲作りパターンを取り上げてみます。まず王道パターンというものを分析してみましょう。
歌をいくつかのパートとして捉え解説します。
まず各パートについての説明から。
パートの言い方、説明
Aメロ ヒラ歌とも呼ばれる。物語序章
Bメロ 展開部 少し展開が変わる。風向きが変わる。転調もあり。
Cメロ サビと呼ばれる。盛り上がる。曲の顔。特にサビ頭はインパクトが欲しい。
Dメロ 大サビと呼ばれる。必ずしもあるわけではないが昨今歌ものには頻繁に見られる。サビからさらに展開してドラマチックに。バラードだったらさらに盛り上げて。
それを踏まえて、よくある1コーラスの構成パターン
A-B-C
A-A-B-C
A-A-B-A
パートの中身は
Aメロ
・8小節が1ブロックのメロディパターン、 ここでいうブロックとはひとかたまりの音形パターンのことです。1ブロックを2回繰り返して(2回目は少し節回しを変えたりする)Bにつなげる。(SMAP「世界に一つだけの花」、AKB48「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」など)
このパターンはめちゃくちゃ多い。もっと分割すると8小節が4小節と4小節の掛け合いになっていることも多い。
・4小節を1ブロックとして2回繰り返す。(JUJU 「やさしさで溢れるように」、宇多田ヒカル「花束を君に」)
Bメロ
・雰囲気を変えて8小節(リズムパターンチェンジ・転調など) + α小節(あとで解説します)
Cメロ
・4小節のパターンを2回繰り返しサビ後半(JUJU 「やさしさで溢れるように」)
・4小節のパターンを4回繰り返す( Perfume「ポリリズム」この曲は4小節ブロックで曲が全体的に構成されている。 他に 嵐 「One Love」)
・8小節1ブロックを2回繰り返す(SMAP「世界に一つだけの花」)
・8小節(テーマ的パターン)+8小節(サビ後半盛り上がり別パターン)を2セット全32小節(AKB48「ヘビーローテーション」)
サビでの転調も王道パターンの一つですね(半音上、全音上、短3度上など)
曲のテンポにより小節数は色々変化するけど、大体1コーラス(大サビは入れず)タイム的には1分10秒から20秒程度におさまる構成が多い。
全体構成として
・イントロ + 1コーラスを2回繰り返し + サビ繰り返し
・イントロ + 1コーラスを2回繰り返し + Dメロ(大サビ) + サビ
`イントロ + 1コーラスを3回繰り返し
・サビ始まり + 1コーラスを2回繰り返し + サビ繰り返し
などのパターンがある。(今回はコンペ提出を前提とした曲作りなので全体構成はざっくりとしか考えない)
以上が一般的パターンだが、どこかに構成的フックを入れる、これが曲の個性になりえます。
パターンを崩しにかかる
よくある簡単な方法ががサビ前に1小節ブレイクっぽく入れる。Bメロの後にフック的扱い。転調きっかけの場合もあります。 (嵐「復活LOVE」など)
Bメロを割り切れない小節数にして変化をつけるやり方は結構あります。(嵐「ワイルドアットハート」はBメロ11小節)
また嵐の「Monster」は結構変わった構成になってて面白くて好きです。
イントロがサビ始まりなのですがAメロとCメロの掛け合わせアレンジだったり、歌に入ってAメロとBメロの間に印象的なブリッジパートが4小節入ったりして。
作曲家の大御所バート・バカラックの曲などは結構あちこちに割り切れない小節(把握しづらいほど)がちりばめられていて、より洋楽的とも言えそうです。
「I Say a little prayer」とか。解説するのも面倒くさいです(笑)
構成から考える歌モノの作り方でした。作曲初心者の方はまず嫌という程王道パターンを知り尽くし、飽き飽きした頃に”いかに崩すか”を考えることをオススメします。
何が王道かを知ることが、何が新しいのかを知ることになるので。(いま良いこと言った!?)