昨日に続いて今日紹介したいのは教則本ではないのですが大変興味深い本です。
ちなみに昨日の記事はコチラ
今回は、
「昭和のTVアニメ特撮主題歌大百科」(ガモウユウイチ著)です。
題名からはだいたい、”どんな歌手があのアニメの主題歌を歌っていたか”などのちょっとした解説付きのデータベース的なやつ?って思うかもしれません。
全然違います。
がっつりとした音楽解説書
まえがきの後にいきなり音楽用語の解説が載っているのですが、そこには「五度圏」とかダイアトニックコードの解説が載っています。
つまり、これを理解してから本文を読んでくださいということ。
要するに、がっつりの楽曲分析本なんです。しかもなんとその数アニメ・特撮主題歌ばっかり164曲分(コード進行抜粋は330)。おかしいでしょ!
その変態マニアっぷりは第1章から炸裂します。
そして、各楽曲録音の演奏者もほとんど網羅されており、どのプレイヤーがサビでどんなプレイをしているか、というようなところまで説明されていて芸が細かい。
もちろんコード譜付きです。
そして第2章は「準主要作家篇」と続く・・・
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理論解説とトリビアを織り交ぜたその内容とは
この本がだいたいどんな雰囲気なのか少し抜粋してみます。
「勇者ライディーン」の項目から
”Aメロ4小節目から5小節目に渡ってはオン・コードからツー・ファイブにと言った、スムーズな進行が心地よい。Bメロは、「Bm7」がドミナント化した「B7」から始まる。「C#m7(b5)」は、サブドミナント・コードのルートを半音上げた変化和音”
普通のアニメファンが間違ってこの本を買ったら「なんのこっちゃ!」という感じでクレームの一つも言いたくなるでしょう。
さらに楽曲に関してはマニアックトリビアも忘れていない。
同じ項目からの抜粋。
”なお、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の代表作「ライディーン」(80年)は、当初は東海道五十三次のイメージから「雷電」と題されていたが、高橋幸宏(Vo,Dr)曰く「細野(晴臣)さんが『アメリカで今(勇者)ライディーン」っていうアニメが大ヒットしている』って言うんで『じゃあ「ライディーン」にしちゃおうって』”
おぉ、そうだったんだぁ!
この調子で164ですよ!!
つまらないはずがありませんよね。
おわりに
アニメ音楽に興味のない方でも、その作家陣・演奏者の仕事っぷりが垣間見れる良書です。ぜひチェックしてみてください。