今日は作曲をする人はで一度も使ったことはない!という人はいないのではないかと思えるほどの常套手段「クリシェ」について書きます。
クリシェってそもそも何?
コードの構成音(トップノートかベースが多い)が半音づつ上昇または下降する進行のことでフランス語を訳すと常套句、とか、お決まり の意味。
さてどんな響きなのか。
実際ヒット曲のクリシェの使われ方をチェックしてみましょう。
「恋に落ちて」サビの終わりの方に使用されています。
最近はいろんな人がカバーしていますがここは小林明子さんの原曲で。ちょっと古いですが・・・一番わかりやすいところであげます。
ダイヤル回して 手を止めた
のところ
Am E/Ab C/G F#m7(b5)
ベースが A > Ab >G > Gb(F#) と半音づつ下降していきます。
他にレッドツェッペリンの「天国への階段」の最初のコード進行も同じ動きです。
他、松田聖子「瞳はダイヤモンド」のあたま。
とっても切ない感じがしますよね。最後のコードが不安定で、どこに流れていくのだろう?という感じです。
どの曲も次の展開ででしっかりとゴールインしているところも音で確認してみてください。
こんなパターンも。
「LOVE LOVE LOVE」DREAMS COME TRUE
C Em/B C7/Bb A7 (原曲はキーC#)
歌い出しの ”ねぇ どうして すごくすごく好きなこと” の部分。
これもベースがCから半音づつ下降します。
「恋に落ちて」とは切なさが少し違う感じがします。
上昇するクリシェ
クリシェには上昇するものもあります。
サビの ”この胸に抱いてた・・”のところ
C Caug C6 C7
キーCで言うところの5度の音Gが
G > G#> A> Bb と上昇します。
下降クリシェとは違ったふわっとした落ち着かなさがありますが、しっかりと次のコードFで地に足がついてゴールに向かって進行していきます。上昇も下降もクリシェは最後に解決する進行の前振りみたいなものですね。
おわりに
いかがでしたか。どこにどういうふうにクリシェを入れるかがキモです。
使いすぎはただダサいだけになってしまうので気をつけましょう。