最近のポップスの大半は、かなりのトラック数から成り立っています。
シンセの音をいくつも重ねて、リズムループを重ねていくとそれなりに厚く聴こえてしまうので出来たつもりになります。
ところが楽器の数・トラックの数にいつだでも頼っていると、作曲家としての幅も出ないし洗練された作曲・編曲はいつまでたってもできません。
ここで一旦編成そのものをスケールダウンしてみましょう。
作曲・編曲の実力をつけるのに良い方とは。
楽器をあえて限定して曲を作ってみる
例えば
ドラム
ベース
ギター
鍵盤
ボーカル(メロディ)
の編成のみで1曲成り立つように作ってみるのです。
生バンドだったら3ピースだけで成り立つ曲もたくさんあるけど(生演奏だからこそ成り立つ部分が大きい)
作家目線で打ち込みで曲を作るとなるとかっこよく作るのは結構骨が折れます。
編成がシンプルなほど、音色や演奏方法のシミュレーション、ベロシティでのダイナミクスなどに気を使わないと目も当てられないほどしょぼい音源になってしまう。
2コーラス目もうまく変化を付けていかないと飽きてしまう。楽器が限定されているので”ストリングスを入れて厚みを出す”などの手が使えない。
すべての楽器の演奏に自信があれば問題ないけどそんな人は少数派でしょう。
ここで楽器限定の足かせが効いてきてフォーカスが一つ一つの演奏パフォーマンスに向けられます。
ここからが面白いところ
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お手本になりそうな数々の名演奏、名曲を何度も聴いてニュアンスまで正確に把握して打ち込みに反映させよう
解決策としては
・名演奏のフレーズ、フィルを研究して引き出しを増やし1曲を通してバリエーションを作り立体感を出す。
・Aメロとサビでリズムなどにダイナミクスをつけて変化をつける。
・リズムパターンの細かい変化でセクションの違いを作る(例えばハイハットの開き具合でノリを変えるとか、ピアノの刻み方とか)
・各楽器の噛み合わせを(縦の線ともいう)しっかり考えてトラックを作る。ベースとドラムのコンビネーション、キメの取り方を工夫する。
脳内バンドを作ってみるのも面白い。
鍵盤はリチャード・ティーになったつもりで
ドラムはジェフ・ポーカロになったつもりで
ベースは?
などなど各楽器、お手本を参考に工夫を凝らしてトラックを作っていくのです。
この方法でフルコーラス聴かせられるトラックができればしめたもの。敏腕アレンジャーの第一歩。あとは楽器を増やしても野暮ったくならず洗練されたアレンジができるようになります。
おわりに
実は多数のトラックで成り立たせるより、シンプルな編成でカッコよくアレンジする方が全然難しいのです。僕も常にトラックの数でごまかさないようシンプルでも成り立つアレンジを心がけています。